自然な抜け毛の本数とは?

髪はずっと生えっ放しという事はなく、ヘアサイクル、または毛周期という髪の生え変わりの周期によって、伸びたり抜けたりを繰り返しており、この周期があるからこそ健康な髪を維持していると言われています。毛周期には成長期・退行期・休止期という3つの段階があり、まず成長期にある髪は毛母細胞が分裂を繰り返し、髪が伸びている段階で、個人差はあるものの平均して月に1cm程度伸びていますが、この成長期にある髪は頭皮全体の約80%から90%にもなるようです。

退行期に入ると、毛母細胞の分裂が徐々に弱まって、髪自体も伸びなくなりますが、頭皮表面に出ている髪に退行期の症状が現れるだけでなく、毛根と毛包との結びつきが弱くなる事で、毛球部分が頭皮表面近くに上昇してきて、神経や毛細血管と距離ができる段階となります。

髪を作るにはタンパク質や亜鉛、各種ビタミン類やミネラル類が必要となりますが、これらの栄養素を毛根に運んでいるのは血液ですが、成長期にある髪は毛根に栄養素を与える為に、毛細血管や神経と繋がっているので、無理に引き抜いてしまうと痛みを感じますが、退行期に入り徐々に神経や毛細血管と距離ができる事により、自然と髪が抜けるよう段階に入るのです。その段階となるのが休止期で、休止期になるとブラッシングやシャンプーと、枕との擦れといった、ちょっとした髪への物理的刺激でも、毛細血管や神経と毛球部分に距離ができている為、簡単に髪は抜けるようになり、髪の寿命が訪れます。

男性・女性、また毛質など個人差はありますが、成長期にある髪は平均して約2年から5年程度、そして退行期は約2週間から3週間、休止期は2ヵ月から4ヵ月程度続くと言われており、このサイクルが繰り返し行われる事で、髪は新しく作り替えられていますが、お風呂の排水溝に抜け毛が溜まっていたり、頭皮が薄くなったなど感じる場合、抜け毛が正常範囲内なのか、気になる方も多いのではないでしょうか。抜け毛・毛根を分析して脱毛の原因を解明する研究をしている、「日本毛根抜け毛研究会」によると、人の髪は10万本ほど生えており、このうち平均平均1日50~100本程抜けるのが自然と言われていますが、この本数はあくまで平均値で、髪が生えている量や個人差などによっては、1日に数本しか抜けない場合もあれば、250本程度抜けるというケースもあるようです。

もし、ブラッシングやシャンプーの度に、髪が抜けてしまうという場合でも、1日に50本から100本程度であれば、薄毛の心配は少ないと言えますが、もし急激に抜け毛が増えたと感じる場合、もしかしたら薄毛が進行しているかもしれません。日本毛根抜け毛研究会によれば、薄毛を進行させる危険な抜け毛というものがあり、毛先が尖った髪や抜けた髪を集めてみて、太さがバラバラといった場合は、ヘアサイクルの異常を疑う必要があります。男性型脱毛症「AGA」や、びまん性脱毛症といった脱毛症を引き起こすと、ヘアサイクルが乱れてしまい、通常約2年から5年程度続く成長期が、半年から1年程度で成長期から退行期に移行し、すぐに休止期に入ってしまう為、髪が太く成長せず薄毛が進行してしまうのです。

このように、ヘアサイクルの乱れで抜けた髪は、毛先に向かって細くなっていたり、成長できなかった髪も混じるので、太さがバラバラとなるケースが多く、抜けた髪をチェックすれば、ある程度ヘアサイクルの異常を知る事ができます。この他にも健康な髪の場合、抜けた髪の毛根は丸くなっていますが、脱毛症になっている場合は、毛根が委縮しているケースが多い為、抜けた髪を集めて太さや毛根などを、しっかりチェックしてみましょう。

抜け毛の原因はさまざま

人間には、たとえば犬に見られるように、一年のうちで、春や秋といった、一定の時期に一気に毛が抜け変わる換毛期のようなものはありませんが、そのかわり、毎日、何本か、髪の毛が抜け落ちていっているものです。その本数は、人によっても異なりますが、だいたい、一日あたり、50本から100本程度と考えられているようで、その数を聞くと、思ったよりもたくさんの髪の毛が、一日で抜けてしまって、髪の毛が薄毛になってしまうのではないかと心配する人も少なくないかもしれません。しかし、特に、季節の変わり目には、犬のように、一度に大量に生え変わるというわけではありませんが、人間の場合でも、通常の時期と比べると、抜け毛の量も多くなる傾向にあるようです。

また、女性の場合には、妊娠、出産を経験すると、産後、一時的に抜け毛が増えることも、よくあるようなので、もし、産後に抜け毛の量が心配になってしまったら、それは、出産が、それだけ体にとってストレスを与え負担がかかることだったのだということを認識して、できる限り、体を休めるような工夫を見つけていくことが必要ともいえるのです。そういったこと以外にも、抜け毛や薄毛の原因は皮脂、汗、ストレスなど、さまざまなことが考えられますし、また、シャンプーに含まれている成分が、自分の肌になんらかのトラブルを起こす可能性も考えられるので、抜け毛や薄毛を防止するためには、普段から対策を考えて生活することを心がけることが大切となってくるでしょう。

抜け毛が多くなったと思っても、あまり悩まないようにすることが重要ですし、悩むことがストレスとなってしまって、一層、髪の毛が抜けるようになってしまうかもしれません。また、髪の毛が抜ける量が増えてきたような気がする、と思っている人のなかで、特に、女性に多いかもしれませんが、抜ける量が増えたわけではなく、髪の毛の一本一本の長さが長くなってきたために、抜け落ちた髪の毛の量が多く見えてしまい、結果的に、抜けた髪の量が増えてきたと、勘違いしているような場合もあるようです。それとは逆に、これまで長い髪の毛だったのが、髪を短くしたことで、抜ける髪の長さも短くなって、髪が抜ける量が減ったと喜んでしまうケースも考えられますが、どちらの場合でも、抜ける髪の量には違いがありませんから、あまり気にしすぎないことがストレスをためこまないということにもつながるでしょう。

ただし、たしかに、子供は、大人と違って、それほど髪の毛が抜け落ちる量は多くないものです。それは、やはり、子供の頭皮には、まだ長年に蓄積された汚れというものもないでしょうし、地肌のコンディションが整っているからなのでしょう。ですから、大人の地肌でも、子供の地肌のようなコンディションに近づけることで、薄毛などを予防することにもなります。あまり熱いお湯を頭皮にかけたり、熱い風をあてたり、髪や地肌にストレスとなるようなことを極力さけるようにして、髪の毛に使うシャンプーなどの成分にも気を付け、可能であれば、ベビー用のシャンプーなどを使用してみるのも、実は髪の毛や地肌にとっては、良いことなので、ためしてみるのも、よいかもしれません。

ベビー用だからといって、洗浄力が足りないというわけではありませんし、子供用に作られているので、リンスをしなくても保湿力が望める商品も多いですし、大人用のシャンプーには、洗いあがりや香りを必要以上に重視する傾向もありますので、人工香料やシリコンなどの、髪や地肌にとって、あまり望ましくない成分が配合されていることも多いのですが、ベビーシャンプーは、そういった必要以上の成分は含まれていないことが多いので安心といえます。